健康コラム

No.19 すっきり快便を目指して

何をもって便秘とするかはむつかしいところですが、気持ちよく排便できないと感じれば便秘といってもよいかもしれません。『慢性便秘症診療ガイドライン』でも、“便秘”とは、「本来体外に排出すべき糞便を十分量かつ快適に排出できない状態」としています。

 

便秘薬はいろいろありますから、それらを利用してスムースに排便できればそれでよいと思います。ただし、急に便秘傾向になったり、便に血液が混じったり、便秘と下痢を繰り返すようになったりするなら、きちっと大腸検査を受けておきましょう。

検査を受けて異常がなければ、漢方薬を利用してみるのもお勧めです。代表的なものをあげてみます。

・大黄甘草湯(だいおうかんぞうとう):大黄と甘草の2種類の生薬が組み合わされた処方で、症状は便秘だけという方に。市販の下剤でお腹が痛くなる人も、甘草のおかげで痛みなく出ることもあるようです。

・麻子仁丸(ましにんがん):高齢者の方で便に湿り気がなく硬くころころしたものが出る方に使います。便に湿り気を与えつつ、便通を良くしてくれます。

・桃核承気湯(とうかくじょうきとう):いらいら、肩こり、生理痛などを伴う元気な方に使うことが多い処方です。ただし、いよいよ元気のないお年寄りなどは、麻子仁丸などの穏やかなものでなく、これくらいガツンとくる処方が良い場合もあります。

・防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん):肥満、高血圧、肩こりなどの訴えがあり便秘の人に処方します。漢方のやせ薬などという人もいますが、これを服用したからと言って痩せないと思います。便通は改善すると思いますが…。

ほかにも、通導散、加味逍遙散、大黄牡丹皮湯その他いろいろな処方を、体調に合わせて処方します。

漢方薬の利点は、体質に合えば便通以外の体調まで整えてくれることがあることです。普通便が楽に出るようになり、体調がアップすれば、あなたもきっと漢方ファン。

外科 品川裕治 (日本東洋医学会漢方専門医:外科部長)

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