健康コラム

No.12 なかなか止まらない空咳に

風邪をひいた後などに、いつまでも咳が止まらないということがあります。痰があまりでなくて咳だけが出るような場合を空咳といいますが、気道が乾燥して被刺激性が高まっていることが多いようです。咳止め薬の中には痰を減らすけど、気道を乾燥させることもあり、咳が出だすとなかなか止まらない状況を引き起こすこともあるようです。

そんな空咳の第一選択漢方は麦門冬湯です。これに含まれる麦門冬は滋潤作用といって、気道に湿り気を与えてくれます。ちょっとこじらせているなぁとか少し炎症もあるかなぁというときにはこれに小柴胡湯を合わせることもあります。これであまり聞かなければ、咳全般に使いやすい麻杏甘石湯をつかいます。ただしこれは麻黄が入っていますから、狭心症などの心臓疾患を持っている方には使わないほうが良いでしょう。

それほどひどくない空咳で、なんだか喉のあたりが気持ち悪くて咳が出るというときには、半夏厚朴湯が有効なこともあります。

痰が多いような場合は他の漢方薬の出番ですが、まずはしっかりと呼吸器内科医の診療を受けることが大切です。痰が増えているのは急性の感染症なのか、慢性呼吸器疾患に伴う慢性の感染なのかなど痰の原因を探ることが大切です。抗生物質が必要な病態であれば抗生物質による治療が第一です。自己判断でいろいろ漢方薬を試すなどということはしないでください。

漢方薬は、西洋医学的な眼で診て、必要な検査や治療を受けた後に、或いは明らかな原因がないようなときに使うサポーターと思ってください。

外科 品川裕治 (日本東洋医学会漢方専門医:外科部長)

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