健康コラム

No.17 暑さを乗り切る

もうじき9月となり暦の上では秋となりますが、暑さはまだまだ続きそうです。初秋の残暑を乗り越えてはじめて夏を乗り切ったと言えるでしょう。暑いと体を冷やしたくなり、クーラーを効かせたり冷たいものを食べたりしがちですが、普段の生活で体を冷やしすぎるのは体調を崩す元。中国ではビールは冷やさないことが多いのも、体を冷やすのが良くないとの考えからとか。もちろん熱中症ともなれば体をせっせと冷やさなければなりませんが。

さて、夏バテかなぁと思ったときにお勧めの漢方薬としては、清暑益気湯(せいしょえっきとう)が有名です。名前からして暑さを涼やかにし、気力を充実させてくれそうですね。これは汗をかき、脱水傾向になったために、倦怠感が出たり動悸がしたりする人に用いることが多い処方です。この処方のお友達が、補中益気湯(ほちゅうえっきとう)。これはとにかくお疲れさんの人に使う処方で、脱水というよりも夏バテで消化器系統がやられた人向きです。食欲不振、胃もたれ、倦怠感などが症状として見られます。

消化器症状がもっと前面に出てくると、六君子湯(りっくんしとう:食欲不振)、人参湯(にんじんとう:下痢傾向で手足の冷えを感じたりする)、半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう:みぞおち辺りの不快感やつかえ感があり、お腹がゴロゴロ言って下痢傾向)などを使うこともあります。

口喝が強くて頭が重くなったり、頭痛に吐き気を伴ったりと熱中症を思わせる症状があればすぐ病院へ行く必要がありますが、そんな時は五苓散(ごれいさん)も利用すればよいと思います。

過猶不及也(過ぎたるはなお及ばざるがごとし)です。体の冷やし過ぎに注意して、体調の維持に努めてください。何事もそこそこが安全です。

最後になりましたが、残暑お見舞い申し上げます。

外科 品川裕治 (日本東洋医学会漢方専門医:外科部長)

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