No.22 冷えの訴えに

冷えを訴える場合、貧血、甲状腺機能低下症、血管疾患などの有無をチェックする必要がある場合があります。また、生活の中で、冷たいものの飲食、低温環境に日常的にいる、衣類による体の締め付けがきつい、運動不足から筋肉量の低下がある、ストレスの多い生活をしているなどがあるならそれらを改善することを考えます。

漢方薬を利用する場合は、貧血傾向の改善、血流の改善、体を温める、気持ちを整えるなどということを目指した処方から選択することになります。

少し華奢な感じで、冷えとともに浮腫みや肩こりなどがあるときは、当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)。日により体の不調が一定せず、イライラや不安が強い場合は、加味逍遙散(かみしょうようさん)。冷えるとお腹が痛くなったり、しもやけになりやすいような人は当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)。少しがっちり気味の体形で肩こり、ほてり、腹痛などを伴う人は桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)。体力が落ちて下痢気味で足がむくみやすい人に真武湯(しんぶとう)。腰から下がとても冷えるという人に苓姜朮甘湯(りょうきょうじゅつかんとう)などなど、一人一人の症状や体質を見ながら処方を考えていきます。これら以外にもいろいろな処方を冷え性に対して利用することができます。

同じ冷えという訴えに対しても、人によって処方が変わってくるところが漢方薬の面白いところでありむつかしいところ。医師や薬剤師と協力して、あなたに合った処方が見つかれば、冷えだけでなく体全体の調子が良くなることも少なくありません。冷えは体質だから仕方がないなどとあきらめている方も時折見かけますが、漢方薬を試さずに諦めてしまうのはもったいないと思います。

外科 品川裕治 (日本東洋医学会漢方専門医:外科部長)

> 次は「たらたら流れる鼻水に」