健康コラム

関節リウマチ治療について

当院の関節リウマチ治療

関節リウマチの治療について

当科では、日本リウマチ学会の専門医・指導医が常勤しております。

関節リウマチに関する治療では、各種生物学的製剤を全て使用可能であり、また、脊椎を除く、ほとんど全ての関節(肩関節・肘関節・手関節・手指・股関節・膝関節・足関節・足趾)の手術が可能です。各関節での人工関節置換術は豊富な経験があります。

また、オープン型MRIを導入しており、各関節の異常をより早期に発見することが可能です。したがいまして、関節リウマチの早期発見早期治療から、関節破壊の予防、破壊された関節での手術による機能再建と、包括的に治療を行っています。

早期治療

治療では消炎鎮痛剤や少量のステロイド剤に加え、早期から抗リウマチ薬を使用します。

残念ながら、全く副作用がでない抗リウマチ薬は存在しません。

患者さんの年齢、血液検査の結果にて抗リウマチ薬の種類を決定します。1~2ヶ月毎に血液検査、定期的に肺のレントゲン、CTを撮影し、副作用がないことを確認しながら、関節リウマチに対する薬剤の効果を判定し、効果がなければ、次々と抗リウマチ薬を変更し、効果のある薬剤を見つけます。

抗リウマチ薬でも、ある程度の関節破壊予防が可能です。

生物学的製剤

抗リウマチ薬で、関節リウマチの活動性を抑えることが困難な場合は、生物学的製剤の使用をお勧めしています。

この製剤は注射で薬剤を投与し、値段が高い・合併症がある方には使用が困難・感染症などを引き起こす可能性がある、などの欠点があります。

しかし、その効果は非常に高く、関節リウマチの活動性を完全に抑える事も可能です。

生物学的製剤と抗リウマチ薬

生物学的製剤 抗リウマチ薬
  • インフリキシマブ
  • アダリムマブ
  • エタネルセプト
  • アバタセプト
  • トシリズマブ
  • メソトレキサート
  • 注射金製剤
  • タクロリムス
  • オーラノフィン
  • サラゾスルファピリジン
  • レフルノミド
  • ブシラミン

関節リウマチの活動性が高い患者さんは関節破壊が進行し、間質性肺炎などの合併症が起こるなどして、仕事が困難となったり、日常生活まで不便になる可能性があります。

そうなりますと逆に医療費が高くなります。 生物学的製剤は高価ですが、長い目でみますと医療費が安くなる可能性があります。

当科では、生物学的製剤を早期から使用し、2年程度をめどに使用を中止するという方針をとっています。

主に、上記の生物製剤と抗リウマチ薬を用いて、【のこぎりの歯戦略】という方式で治療を行っております。

生物学的製剤と抗リウマチ薬を併用した”のこぎりの刃”戦略

生物学的製剤と抗リウマチ薬を併用した"のこぎりの刃"戦略