健康コラム

パーキンソン病の進行の個人差と持続性

病気の進行の個人差

症状の経過は人によってさまざまです。これはDBS効果がばらつく原因の一つになります。

DBSの持続性

 

DBSの効果予測

DBSによる症状の改善には個人差があります。一般的に薬(レボドパ)がよく効く人はDBSの効果も高い傾向があります。逆に、薬が効きにくい人にはDBSの効果が期待できないことになります。

図中の○の大きさは患者さんの数(10〜96人)を表す
Kleiner-Fisman et al.  Mov Disord 2006 より改編

DBSの効果の持続性

発病初期の運動症状は、レボドパの服用で改善するドパミン反応性の症状です。
進行とともにレボドパの効かないドパミン不応性症状が積み重なってきます。

DBSは主にドパミン反応性の症状に有効ですが、病気が進行するとドパミン不応性の症状も出てきます。
刺激を中止したり、電池が消耗したりすると抑えられていた症状は悪化します。

パーキンソン病を薬物治療のみ行なった場合とDBS手術を行なった場合の違い

 

 病気の進行度の影響

DBSは決して急いで受けるべきものではありません。しかしあまりに進行すると、DBSの効果は落ちます。
高齢者では、薬が効きにくくなっていたり、別の病気を合併していることが多くなります。

※1 早くから適切な治療を行い、脳の状態を最適に保つことで、少しでも重症化を防げる可能性があります(まだ統計学的に証明されたわけではありません)。
※2 構音障害・嚥下障害、姿勢異常、バランス障害・すくみ足などの体軸症状

パーキンソン病の進行を遅らせるために▶