股関節の疾患「大腿骨頭壊死について(1) ~原因と症状~」
大腿骨頭壊死とは
大腿骨頭壊死は大腿骨頭の一部が壊死を起こし、それに引き続く陥没などで股関節に障害を起こす病気です。
体重負荷がかかる部分以外に壊死が生じた場合は陥没が生じずそのまま無症状で経過しますが、体重負荷がかかる部位で壊死が生じた場合は骨頭が圧潰する可能性があります。
骨頭に圧潰が生じると痛みなどの症状が出現します。
※骨頭圧潰(こつとうあつかい)→ 大腿骨の骨頭の部分が押しつぶされてしまい、元の球形を失った状態。
大腿骨頭壊死の原因
大腿骨頭壊死は大腿骨頭の一部の血行が途絶することにより死んでしまう(壊死)病気であり、原因がよく分かっていないものを「特発性大腿骨頭壊死」と言います。
膠原病やネフローゼ症候群など他の病気の治療に用いられたステロイド剤やアルコール多飲が原因になるとも言われています。
また原因がある大腿骨頭壊死としては大腿骨頚部骨折後に起こる外傷性大腿骨頭壊死や大腿骨頭辷り症に伴うもの、放射線性、減圧症(潜水作業に伴うもの)などがあります。
大腿骨頭壊死の症状
大腿骨頭が壊死しても痛みは生じません。痛みは壊死した骨頭が陥没して初めて起こり、陥没の程度が大きいほど大きな症状を引き起こすようです。よって陥没の程度がごくわずかな時期は股関節から殿部の違和感程度の場合があります。
痛みは股関節にとどまらず太ももや膝の痛みとして感じる人もいます。また殿部の痛みのため坐骨神経痛として治療を続けられている人もいます。
痛みの始まりは階段昇降の際や転倒など様々ですが、恐らくこれらを契機に大腿骨頭に陥没が生じるのだと考えられます。股関節の動きは徐々に悪くなっていきます。
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