股関節の疾患「変形性股関節症について(1) ~原因と症状~」
変形性股関節症とは
変形性股関節症は、股関節の様々な原因で軟骨の変性・摩耗など「股関節の破壊」が生じるとともに、関節を安定にするために増殖した「骨棘(こつきょく)」を特徴とする病気です。
※骨棘(こつきょく)→ 骨に加えられた何らかの刺激に反応して骨組織が増殖し、棘状(とげじょう)になったもの。
レントゲン像では関節の破壊を示す骨嚢胞(骨の中にできる空洞)や、骨増殖を示す骨棘(骨の棘)による骨頭変形などが特徴です。股関節にこのような変化をきたすと痛みが出現し徐々に動きが悪くなります。
変形性股関節症の原因
変形性股関節症は、「一次性変形性股関節症」と「二次性変形性股関節症」に分類されます。
「一次性変形性股関節症」は、原因がはっきりしない変形性股関節症のことをいいます。
一方、原因がはっきりした変形性股関節症を「二次性変形性股関節症」といいます。
「二次性変形性股関節症」の原因としては、臼蓋形成不全(骨盤の凹みが浅い股関節)、結核や骨髄炎などの感染後、関節リウマチ、成人の骨壊死疾患、代謝性疾患、外傷後、関節内遊離体など様々なものがあります。
このような変化が様々な年代で生じることになります。
年齢や社会的背景などを十分に考えて早期に進行を止める治療方針を決定することが大切です。
変形性股関節症の症状
変形性股関節症になると股関節に痛みが生じます。
この痛みは下肢の付け根の部分に生じますが、太ももや膝の方に痛みが放散することもあります。
また、関節の動きが悪くなり下肢の長さに違いが生じる事もあります。
次へ >> 変形性股関節症について(2) ~診断と治療方針~
次へ >>> 変形性股関節症について(3) ~手術療法~
- 関連キーワード
- 人工関節