健康コラム

高周波凝固手術 (RF)

高周波凝固手術 (RF)

局所麻酔で頭蓋骨に小さな穴を開け、脳の深部を凝固破壊する治療法で,数十年の歴史がある治療です。通常は片側のみに行います。2000年に保険適応となった脳深部刺激療法(DBS)が普及するとともに行われることは非常に少なくなりました。

現在では片方の手のふるえ(本態性振戦、パーキンソン病)や一部のジストニア(書痙・斜頸など)に対して行われることが多い手術で、局所麻酔下で1時間程度で終了します。

過去に高周波凝固手術を行った場合、その反対側の症状には通常DBSを選択します。両側に凝固手術を行うと構音障害を引き起こす危険性があるためです。

高周波凝固手術では、脳内に電極を挿入しその先端に70度の熱を作り周囲の脳を温めます。温められた脳組織は電極先端を中心としてきれいな球状に凝固されますが、これは単純なやけどのようなものです。

高周波凝固手術の術後1〜2日かけて、頭痛や吐き気,力が入りにくい,フラフラするなどの症状が一時的に現れることがあります。これは凝固部位の周囲に「腫れ」を生じているためであり、2〜3週間程度で腫れがひくとともに症状も軽快します。

▶️ 手術症例の動画

書痙「字を書けない」  neurosurgical-functional/dystonia/4209/

パーキンソン病「手が震える」

本態性振戦「手が震える」)  neurosurgical-functional/4200/