ジストニアに対するDBSの効果

ジストニアに対するDBS効果 Q&A

 

Q1 症状は完全に治りますか?

A1 DBSによる改善度(手術効果)は人によってさまざまです

完全に治るわけではありません。術後どのくらい良くなるのかを確実に予測することはできません。症状は消失したり、4-5割しかよくならなかったり、さまざまです。術後の経過次第では、再手術(リード位置の修正)が必要になる場合もあります。DYT1ジストニアは、ジストニアの中でも最もDBSが有効と考えられている遺伝性ジストニアです。症状の改善度には個人差があります。いったん良くなった症状がまた悪くなってきたりすることもあります。

Vidailhet et al. N Engl J Med  2005 より改編

Q2  手術するとすぐによくなりますか?

A2  姿勢・肢位の異常が改善するには週~月単位の時間がかかります

ジストニアに対する手術効果は、ゆっくり現れるのが特徴で、パーキンソン病や振戦とは大きく異なります。したがって、設定している刺激条件が最適なのか判定するのも時間がかかります。一般に、姿勢・肢位異常などで週~月単位の時間がかかり、ふるえなどの速い運動成分には早期(1-2日)に発現する傾向があります。焦らずにじっくり効果が出てくるのを待つ必要があります。

Vidailhet et al. N Engl J Med  2005 より改編

Q3 早く手術した方がいいのですか?

A3 手術までの期間が長いと効果が出にくくなる傾向があります

統計学的には、発病から手術までの期間が短いほど手術効果が現れやすいと言われています。逆に、何年も経過してからでは治りにくくなる可能性があります。しかし残念ながら、ジストニアやその治療法はあまり知られていないこともあり、発病から診断まですでに長期間経過していることも少なくありません。長い年月が経つと脳の機能異常が固定化してしまったり、脊椎など骨格が変形してきたりすることがあります。だからといって緊急に手術する必要は全くありません。

Andrews C et al. J Neurol Neurosurg Psychiatry 2010 より改編

Q4 ジストニアの中でも治療しにくいものがありますか?

A4 何らかの原因があって生じるジストニアは難しい…

原因不明のジストニアや,遺伝性ジストニアの多くは、脳の画像検査で異常が見つかりません。脳神経回路も正常に発育・発達を遂げ、ある時点から発症しますので、DBSに反応して改善しやすいと考えられます。一方、先行する脳の病気(脳性麻痺、脳挫傷、神経難病、脳卒中など)があってジストニアが生じる場合を二次性ジストニアと言います。二次性ジストニアに対して手術は効きにくいとされています。それらの多くは脳の画像検査で先行する病変が見つかっています。

Vercueil L et al. Mov Disord  2002より改編

Q5 刺激装置の電池はどのくらい持ちますか?

A5 刺激装置の電池寿命は短い?でも充電式装置を使えば…

ジストニアの治療部位である淡蒼球はやや大きめの神経核で、以前は凝固破壊手術が行われていました。現在は、破壊せずに調節できる脳深部刺激療法(DBS)が主流ですが、しばしば強いエネルギーを必要とします。そのため、非充電式の場合は1-2年で消耗することも多く、そのたびごとに電池交換(手術)をしなければなりません。最近ではジストニアの場合は充電式刺激装置を植込むケースが多く、上手に充電しながら使用すると電池寿命は10-20年です。

Perez J et al. Neuromodulation 2017 より改編